表宗家の多岐にわたる活動を御覧ください。
漆による透かしやぼかしは、日本人の感性における繊細で微妙な変化の機微に深みと隠し技の妙を思わせる。
透かし柄は、着物の裏地のお洒落と同じく、内面にある高貴さと情感をにじみださせている。日本文化独特の感性に裏打ちされた表現方法であり、この原理と技をあらゆる製品に応用し、使用することが考えられる。
木彫りの透かしは古来より木と紙を文化的中心に重ねてきた日本人の生活における最高芸術の一つと言える。日本の古木材は、欅(けやき)などに象徴される長い年月に裏打ちされた実の詰まった重量感のある材質から幾度にも削りながら木材を利用し修正修復を繰り返しながら社殿や仏閣などを建立し続けてきた。
欄干などの透かしは、材質とデザインの質感、重量感を損なうことなく、極上の美術表現を実現させている。透かしの技法は、日本人の繊細さ、奥ゆかしさを表現する日本人が長い歴史の中で不屈の努力により培った極上の原理である。
実用可能で貴重な世界に誇れるレベルの高い我が国の伝統技術はこの「透かし」の技法にあると確信する。
ジーンズ
1998年、「第三回西陣裂地展」にて発表された作品。 古布とはいえ、高級な西陣裂地を再利用しようという趣旨の展示会。 各界から多数のアーティストや職人により、出展される展示会である。
表は、西陣裂地の下に線を入れふくらみを持たせ、 ジーンズに合わせた。
木息( KOIKI )
表デザインの得意とする"形になる前の形"をイメージしたフォルム。 越前うるし塗り仕上げ。 赤色面は、赤の深い発色にこだわった。 青色面は、日本の古色の"明け色"と言い、夜明けの空を表し、 塗りの技法も"ナシ地の溜色"と言って、キラキラとラメように輝く。
表 博耀デザインの得意とするデザインコンセプト「形になる形」のフォルムのかんざしとして作られた。 インテリアとしても。越前うるし塗り仕上げ。
立雲( TATEGUMO )
ヌメ皮と、金らん地を組み合わせたかばん。 使い心地にこだわり、10年の歳月をかけて完成された。 内部ポケットは6つ。 高級金らん地部分は、お好みに合わせてオーダーメードできる。 職人の匠の技による精巧さと頑丈さ。 表 博耀デザインによる優雅さをもつ。 ネオジャパネスクポリシーを持つステイタス、全てをあわせ持つ作品。
JAPANESQE
うるしを全体に施した牛革を使用し、牛革に一層のステイタスと強度を加えた。 内部はポケット3つ。 一見よりも内容量はあり重宝。 正面と側面に、工芸品の組ひもを施し、 全体のカゴメ文様のうるし塗りで、和のイメージを強くした。
キャンパス・刺繍
伝統的工芸品産業振興協会 産地プロデューサーの仕事。 豊岡カバンの復興事業の企画作品。 海外ブランドバッグに負けない、職人の頑丈な手仕事に加え、京刺繍の職人による"海老"をアクセントにした。 皮の割れ目から赤い布地がチラリと見えるようになっていたり内部の布地も表のオリジナルデザインの布地になっていたりと趣向が面白い。